一途な消防士は、初恋の妻を激愛で包み込む
「あら。結婚したんだからいいじゃない。夫婦の間に、秘密はなしよ?」
「だから、さっさと帰りたかったのに……」
悔しさの滲む声を上げた香月先輩の声を聞いた私は、義母と絡むのを嫌がっている理由をこの時初めて知った。
香月先輩は、知られたくなかったんだ……。
「香月先輩の新たな一面垣間見えて、嬉しいです」
ご両親にテーブルの下が見えないのをいいことに。
私は繋いだ指先に、力を込めた。
「星奈さん……」
「そうよ! その調子! 星奈ちゃんは笑うと、とってもかわいいんだから! これから私達と一緒に、たくさん楽しいお話をしましょう!」
元気で明るくて優しいお義母様。
黙々と餃子を包む、職人気質なお義父様。
肩を落として項垂れる香月先輩。
関宮家の一員になったからには、みんなを悲しませるよりも一緒に笑い合えるようになりたい。
そう、心の底から改めて考え直した私はーー。
「は、はい……。ありがとう、ございます……」
どんなにつらくて悲しい出来事があったとしても。
顔には出さないように気をつけると決め、他愛のない会話を続けながら。私はご両親との食事を、楽しんだ。
「だから、さっさと帰りたかったのに……」
悔しさの滲む声を上げた香月先輩の声を聞いた私は、義母と絡むのを嫌がっている理由をこの時初めて知った。
香月先輩は、知られたくなかったんだ……。
「香月先輩の新たな一面垣間見えて、嬉しいです」
ご両親にテーブルの下が見えないのをいいことに。
私は繋いだ指先に、力を込めた。
「星奈さん……」
「そうよ! その調子! 星奈ちゃんは笑うと、とってもかわいいんだから! これから私達と一緒に、たくさん楽しいお話をしましょう!」
元気で明るくて優しいお義母様。
黙々と餃子を包む、職人気質なお義父様。
肩を落として項垂れる香月先輩。
関宮家の一員になったからには、みんなを悲しませるよりも一緒に笑い合えるようになりたい。
そう、心の底から改めて考え直した私はーー。
「は、はい……。ありがとう、ございます……」
どんなにつらくて悲しい出来事があったとしても。
顔には出さないように気をつけると決め、他愛のない会話を続けながら。私はご両親との食事を、楽しんだ。