一途な消防士は、初恋の妻を激愛で包み込む
「か、香月先輩……っ! ちょ、ちょっと、ま……!」
「待てない」
すっかり気分の盛り上がっている香月先輩は帰宅して早々、抱き上げていた私を廊下の縁に座らせると性急な動作で覆い被さって来た。
「こんな、ところで……っ」
「星奈さんのことは、俺しか見てないよ」
今まで我慢してきたツケが、回っているのかもしれない。
瞳の奥にはギラギラと怪しく光り輝く欲望の色が見え隠れしている。
「そう、かも……。しれない、ですけど……」
「駄目?」
視線をあらぬ方向へ向けて狼狽えている間にも、彼は私をその気にさせようとキスの雨を振らせた。
こんなところで、恥ずかしい。
誰かが急にやってきたら。
ご近所さんからクレームが来たらどうしよう。