一途な消防士は、初恋の妻を激愛で包み込む
 このまま唇を触れ合わせ続けて。
 窒息死してもいいと思えるほど、彼を愛しているからこそーー彼と離れる瞬間が、一番つらい。

 夫がこちらの反応を窺っていると気づいた私は、心の奥底に感じている素直な気持ちを伝えると決めた。

「香月先輩の妻になれて……。本当に、よかったです……」
「素直でよろしい」

 彼は満足そうに微笑むと、私の髪を優しく撫でつけた。

「あの女が星奈さんを取り戻しに来ようが、他の男が奪いに来たとしても」
「香月、先輩……?」
「何があっても絶対、離さないから」
「はい……っ!」

 私は幸福感に包まれながらとびきりの笑顔を浮かべると、彼の逞しい胸板へと飛び込んだ。
 
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