一途な消防士は、初恋の妻を激愛で包み込む
月と星が光り輝く夜空になぞらえ名づけられた娘は、プリンセスラインのチュールがふんだんにあしらわれた藍色のドレスを揺らして、花びらの造花が入った籠の中へ右手を突っ込む。
「夜空ちゃん! それをひらひら~って! 高いところで離すんすよ!」
「ひら、ひら?」
娘と視線を合わせるためにしゃがみ込んだ青垣さんの熱血指導に合わせて、夜空は花びらを手に取ると頭上からそれを振り撒く。
ひらり、ひらりと造花が地面に落ちていく姿を嬉しそうに見守っていた娘と青垣さんの間には、ほんわかとした空気が流れていた。
「さすが青垣。子ども慣れしてるね」
その様子を私の隣で確認した香月先輩が、感心したように言葉を紡ぐ。
娘の面倒を見ている青垣さんは、大家族の長男。
幼い頃から弟や妹の面倒を見ているため、人見知りの激しい娘もすぐに打ち解けたようだ。
結婚式なんて、あと2年はできないと思っていたけれど……。
娘がぐずることなく楽しそうにしている姿を見られたのは、香月先輩と仲のいい後輩のおかげだ。
先程までの憂鬱な気持ちが嘘のように口元を綻ばせた私は、段々と気分がよくなってきた。
「夜空ちゃん! それをひらひら~って! 高いところで離すんすよ!」
「ひら、ひら?」
娘と視線を合わせるためにしゃがみ込んだ青垣さんの熱血指導に合わせて、夜空は花びらを手に取ると頭上からそれを振り撒く。
ひらり、ひらりと造花が地面に落ちていく姿を嬉しそうに見守っていた娘と青垣さんの間には、ほんわかとした空気が流れていた。
「さすが青垣。子ども慣れしてるね」
その様子を私の隣で確認した香月先輩が、感心したように言葉を紡ぐ。
娘の面倒を見ている青垣さんは、大家族の長男。
幼い頃から弟や妹の面倒を見ているため、人見知りの激しい娘もすぐに打ち解けたようだ。
結婚式なんて、あと2年はできないと思っていたけれど……。
娘がぐずることなく楽しそうにしている姿を見られたのは、香月先輩と仲のいい後輩のおかげだ。
先程までの憂鬱な気持ちが嘘のように口元を綻ばせた私は、段々と気分がよくなってきた。