一途な消防士は、初恋の妻を激愛で包み込む
「いえ。やってよかったです」
「ほんと?」
「はい。隠し事は、もうしないと決めましたから……」
私は鍛え抜かれた肉体美を持つ、190cm近い高身長の彼を見上げる。
夫は私の気持ちを疑っているようで、不安そうに瞳を揺らしていた。
「香月先輩を好きになって、本当によかったです」
プライベートでは饒舌で、年相応の挑発的な態度を取ることが多いくせに。
消防士として働く際には無駄口を叩くことなく大声を張り上げ、救助活動に尽力する。
その頼りがいのある姿と、私だけに見せるギャップにやられている状態ではーーその不安そうな表情は、ご褒美でしかない。
思わず口元を綻ばせて微笑めば、彼もまたほっとした様子で小さく頷く。
「よかった」
椅子から立ち上がった香月先輩はその場へしゃがみ込むと片膝を床につき、私へ手を差し伸べた。
「夜空を、迎えに行こうか」
「はい」
夫のエスコートを受けてその手を取った私は、しっかりと彼と指先を絡め合う。
離れないように手を繋ぐと、カラードレスを揺らしながらゆっくりと娘の元へと向かう。
「ほんと?」
「はい。隠し事は、もうしないと決めましたから……」
私は鍛え抜かれた肉体美を持つ、190cm近い高身長の彼を見上げる。
夫は私の気持ちを疑っているようで、不安そうに瞳を揺らしていた。
「香月先輩を好きになって、本当によかったです」
プライベートでは饒舌で、年相応の挑発的な態度を取ることが多いくせに。
消防士として働く際には無駄口を叩くことなく大声を張り上げ、救助活動に尽力する。
その頼りがいのある姿と、私だけに見せるギャップにやられている状態ではーーその不安そうな表情は、ご褒美でしかない。
思わず口元を綻ばせて微笑めば、彼もまたほっとした様子で小さく頷く。
「よかった」
椅子から立ち上がった香月先輩はその場へしゃがみ込むと片膝を床につき、私へ手を差し伸べた。
「夜空を、迎えに行こうか」
「はい」
夫のエスコートを受けてその手を取った私は、しっかりと彼と指先を絡め合う。
離れないように手を繋ぐと、カラードレスを揺らしながらゆっくりと娘の元へと向かう。