一途な消防士は、初恋の妻を激愛で包み込む
これが陽日さんのドッキリだったら、ただマンションで暮らす住人達に迷惑をかけただけの人に成り下がるとわかっていても。
目の前に広がる火の海が間近に迫り追い詰められていた私は、恐怖心と絶望でいっぱいになりながら。
どうしても、生きることを諦められなかった。
『今度こそ。星奈さんを振り向かせてみせるから』
命が失われてしまえば、こちらに伸ばされた大好きなあの人の手をーー握りしめられなくなってしまうから。
ーー私は絶対に、ここから生きて脱出するんだ……!
そう強い意志を瞳の奥に抱いた私は、必死に周囲へ視線を巡らせた。
「……っ!」
ーー他に外へ出られる場所が、どこかに必ず、あるはず……!
諦めずに必死に生きようとした私を、神は見放さなかったようだ。
少しだけ冷静になった私は、背中から月の光が差し込んでいるのにようやく気づく。
目が醒めた瞬間に勢いよく燃え盛る炎を目にしたせいで、パニックに陥った結果。
ベッドの真横にベランダへ繋がる窓があるのを、すっかり忘れていたのだ。
目の前に広がる火の海が間近に迫り追い詰められていた私は、恐怖心と絶望でいっぱいになりながら。
どうしても、生きることを諦められなかった。
『今度こそ。星奈さんを振り向かせてみせるから』
命が失われてしまえば、こちらに伸ばされた大好きなあの人の手をーー握りしめられなくなってしまうから。
ーー私は絶対に、ここから生きて脱出するんだ……!
そう強い意志を瞳の奥に抱いた私は、必死に周囲へ視線を巡らせた。
「……っ!」
ーー他に外へ出られる場所が、どこかに必ず、あるはず……!
諦めずに必死に生きようとした私を、神は見放さなかったようだ。
少しだけ冷静になった私は、背中から月の光が差し込んでいるのにようやく気づく。
目が醒めた瞬間に勢いよく燃え盛る炎を目にしたせいで、パニックに陥った結果。
ベッドの真横にベランダへ繋がる窓があるのを、すっかり忘れていたのだ。