一途な消防士は、初恋の妻を激愛で包み込む
声を出す気力もなかった私が小さく頷き、言われるがままボタンを押して解除するとーージリリリと鳴っていた耳障りな音が、消失した。
――救助が来たのなら、もうこれは必要ない。
ベランダに目覚まし時計を置くついでにベランダの真ん中に小さく空いた鉄格子から、地上を見下ろせば。
消防車や救急車が複数台停車している姿を確認する。
どうやら私が寝ている合間に誰かが通報してくれていたらしい。
救助のためにはしご車が出動してきたようだ。
「動かないでください! 危ないので!」
「……星奈さん?」
はしごの隣から伸びているゴンドラのようなものに乗った男性から、指示が飛ぶ。
思わず怯んで動きを止めれば、最初に声をかけてきた消防士が不思議そうに私の名前を呼んだ。
「どうして、私の名前――」
「要救助者意識あり! 救助準備を開始します!」
問いかけを無視した男性は、同僚にこちらの状況が聞こえるように大声を張り上げる。
その後ベランダの上から、こちらへ手招きしてきた。
どうやら男性を避けるのではなく、そちらへ向かうのが正解だったたらしい。
――救助が来たのなら、もうこれは必要ない。
ベランダに目覚まし時計を置くついでにベランダの真ん中に小さく空いた鉄格子から、地上を見下ろせば。
消防車や救急車が複数台停車している姿を確認する。
どうやら私が寝ている合間に誰かが通報してくれていたらしい。
救助のためにはしご車が出動してきたようだ。
「動かないでください! 危ないので!」
「……星奈さん?」
はしごの隣から伸びているゴンドラのようなものに乗った男性から、指示が飛ぶ。
思わず怯んで動きを止めれば、最初に声をかけてきた消防士が不思議そうに私の名前を呼んだ。
「どうして、私の名前――」
「要救助者意識あり! 救助準備を開始します!」
問いかけを無視した男性は、同僚にこちらの状況が聞こえるように大声を張り上げる。
その後ベランダの上から、こちらへ手招きしてきた。
どうやら男性を避けるのではなく、そちらへ向かうのが正解だったたらしい。