一途な消防士は、初恋の妻を激愛で包み込む
渋々指示通りに行動した私は、彼の耳たぶにオレンジ色のマグネットピアスがつけられていることに気づく。
そのアクセサーを付けている男性は、一人しか心当たりがない。
「後ろ、下がりますね」
私はこの時になって、やっと彼が自身の想い人であると知った。
ーー口調が違うから、すぐにわからなかったのが悔やまれる。
後々変な噂を流され、妹が怒り狂うのだけは避けたい。
慌てて関宮先輩から、身体を離そうとしたのだが……。
「わ……っ」
「しっかり、掴まってください」
強い力で引き摺られるように、ベランダの外へ誘導される。
私は思わず、彼の首元へ回す手に力を込めた。
関宮先輩は私を軽々抱き上げると、はしごの上に置かれた四角い籠へ一緒に乗り込む。
「もう、大丈夫ですよ。手すりがあるの、見えますか?」
「は、はい……」
「ここを、しっかり掴んで」
彼は首元に回した手を離し、鉄パイプを掴むように敬語で指示してきた。
私は普段と口調と雰囲気が異なることに戸惑いながら、それに従う。
ーーなんだか、関宮先輩じゃないみたい……。
本当に本人なのだろうか。
別人なんじゃ……。
そのアクセサーを付けている男性は、一人しか心当たりがない。
「後ろ、下がりますね」
私はこの時になって、やっと彼が自身の想い人であると知った。
ーー口調が違うから、すぐにわからなかったのが悔やまれる。
後々変な噂を流され、妹が怒り狂うのだけは避けたい。
慌てて関宮先輩から、身体を離そうとしたのだが……。
「わ……っ」
「しっかり、掴まってください」
強い力で引き摺られるように、ベランダの外へ誘導される。
私は思わず、彼の首元へ回す手に力を込めた。
関宮先輩は私を軽々抱き上げると、はしごの上に置かれた四角い籠へ一緒に乗り込む。
「もう、大丈夫ですよ。手すりがあるの、見えますか?」
「は、はい……」
「ここを、しっかり掴んで」
彼は首元に回した手を離し、鉄パイプを掴むように敬語で指示してきた。
私は普段と口調と雰囲気が異なることに戸惑いながら、それに従う。
ーーなんだか、関宮先輩じゃないみたい……。
本当に本人なのだろうか。
別人なんじゃ……。