一途な消防士は、初恋の妻を激愛で包み込む
 消防士として大声を張り上げる姿や筋肉質な身体とは結びつかない口調と表情に、戸惑ったせいか。
 私は思わずはっと息を呑み、二の句が紡げなくなってしまった。

「俺ってそんなに、頼りない?」
「そう言う問題ではなく……」
「うん。知ってるよ。星奈さんは素直じゃないから、誰かに頼るよりも自分で解決しようとしちゃうんだよね」

 彼が私を見つめる瞳は、慈愛に満ちている。
 その様子は手のかかる妹のわがままを、仕方ないと受け入れる。
 兄のような光景にしか思えず、私は微妙な気持ちになってしまう。

 ーーいくら年下だからって。
 こんな風に私のすべてを知ったような口ぶりで、呆れないでほしい。
 妹扱いなんてしないで。
 私は関宮先輩が、ずっと好きだったのだからーー。

 その願望を今まで言葉にして来なかったせいで。
 私は彼の、彼女にはなれなかった。

 ただの後輩が先輩に伝えるのは、違うような気がして。
 結局いつものように、黙っているしかない。

 そんな私の姿を見かねたのだろうか。
 関宮先輩は優しい口調で、語りかける。
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