一途な消防士は、初恋の妻を激愛で包み込む
「安心して。俺は絶対、星奈さんを裏切らないから」
「……口では、なんとでも言えます」
「それはもう、長い時間をかけて信じてもらうしかないかな」
「信用できません」

 素直になれない私があえて自分の気持ちに嘘をつけば。
 関宮先輩は口元を緩めて、真剣な眼差しではっきりと宣言する。

「俺は星奈さん一筋だよ」
「私は、違いますから……」
「ふぅん。そうなんだ?」

 興味深そうに言葉を紡いだ彼の瞳から、光が失われた。
 口元は微笑んでいるのに、目元が笑っていないのだ。

 背筋が凍るような寒気を覚えた私は、すぐさま悟る。
 温厚な彼を、激怒させてしまったのだと。

 どうしよう。陽日さんのように、怒鳴りつけられたら。
 どうしよう。嫌われたら。
 どうしよう。手足の自由を奪われて、ここから二度と出さないと凄まれたらーー。

 関宮先輩の瞳を見つめ続けるのが恐ろしくて。
 私は思わず、目を逸らしたのだがーー。
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