一途な消防士は、初恋の妻を激愛で包み込む
ーー今はまだ、彼の告白をすべて、受け入れるのは難しく……。
指先を少しだけ触れ合わせるのが、精一杯だけれど。
いつかは彼に声を大にして愛を囁き、その手を離れないように絡め合えるといい。
「あいつと一緒にいるより、幸せな時間を過ごさせてあげる」
そんな願望を夢に描けば。
関宮先輩は余裕綽々な笑みを浮かべながら、彼の手を取ったことを後悔させないと自信満々に宣言して見せた。
その自信満々な姿が好きだと思うと同時に、苦手でもある。
なんとも言えない気持ちでいっぱいになった私が、無言で彼を見つめていればーー気まずい沈黙を破るように、腹部から空腹を告げる気の抜けた音が響き渡る。
「お腹が空きました……」
素直に左手でそこを抑えて申告すれば、関宮先輩はやっとベッドの上から移動する気になったようだ。
「食事にしようか」
彼は私を軽々抱き上げると、リビングに向けて歩き出した。
指先を少しだけ触れ合わせるのが、精一杯だけれど。
いつかは彼に声を大にして愛を囁き、その手を離れないように絡め合えるといい。
「あいつと一緒にいるより、幸せな時間を過ごさせてあげる」
そんな願望を夢に描けば。
関宮先輩は余裕綽々な笑みを浮かべながら、彼の手を取ったことを後悔させないと自信満々に宣言して見せた。
その自信満々な姿が好きだと思うと同時に、苦手でもある。
なんとも言えない気持ちでいっぱいになった私が、無言で彼を見つめていればーー気まずい沈黙を破るように、腹部から空腹を告げる気の抜けた音が響き渡る。
「お腹が空きました……」
素直に左手でそこを抑えて申告すれば、関宮先輩はやっとベッドの上から移動する気になったようだ。
「食事にしようか」
彼は私を軽々抱き上げると、リビングに向けて歩き出した。