一途な消防士は、初恋の妻を激愛で包み込む
「これ! あなたですよね!」
数時間前にマンションのベランダから救助される私の顔を映し出した画像を目にして、どう返事をするべきか頭を悩ませる。
それは明らかに、火災の混乱に乗じて盗撮した写真だったからだ。
「今朝、ニュースで見たんですよ! どっかで見覚えがあるなぁと思ったら! 陽日ちゃんのお姉さんだったんだ!」
テンションの上がっている男性客はこちらへスマートフォンのカメラを向けると、画面をタップした。
その直後、シャッター音が聞こえてくる。
まさか無断で写真を撮影されるなど思いもしなかった。
私が呆然としていれば、彼が物凄い速さでスマートフォンの画面に指を走らせているのに気づく。
さすがに指摘するべきだと考えた私は、勇気を振り絞って彼に問いかけた。
「あの……」
「これを投稿すれば、ニュースで話題になった人のいるお店だと有名になるはずだ。そうすれば、陽日ちゃんは俺を褒めてくれる……!」
どうやら彼は私の盗撮画像を住所とともにSNSに投稿することで、この店の商売繁盛に貢献するつもりのようだ。
ーー確かにこのお店は、昼どき以外は閑古鳥が鳴いているけれど……。
数時間前にマンションのベランダから救助される私の顔を映し出した画像を目にして、どう返事をするべきか頭を悩ませる。
それは明らかに、火災の混乱に乗じて盗撮した写真だったからだ。
「今朝、ニュースで見たんですよ! どっかで見覚えがあるなぁと思ったら! 陽日ちゃんのお姉さんだったんだ!」
テンションの上がっている男性客はこちらへスマートフォンのカメラを向けると、画面をタップした。
その直後、シャッター音が聞こえてくる。
まさか無断で写真を撮影されるなど思いもしなかった。
私が呆然としていれば、彼が物凄い速さでスマートフォンの画面に指を走らせているのに気づく。
さすがに指摘するべきだと考えた私は、勇気を振り絞って彼に問いかけた。
「あの……」
「これを投稿すれば、ニュースで話題になった人のいるお店だと有名になるはずだ。そうすれば、陽日ちゃんは俺を褒めてくれる……!」
どうやら彼は私の盗撮画像を住所とともにSNSに投稿することで、この店の商売繁盛に貢献するつもりのようだ。
ーー確かにこのお店は、昼どき以外は閑古鳥が鳴いているけれど……。