このヒカリの下を、もう一度君と
②
誰にでも平等に朝はやってくる。
生きている人間には。
枕元で鳴り響くスマホのアラームを止めてゆっくりと身体を起こす。
途端に頭がズキズキと痛む。
あの日から毎日だ。
朝が来てしまった絶望からなのか、
私の朝はいつも頭痛から始まる。
ため息をつきながら部屋から出て洗面所へと向かう。
顔を洗い鏡を見るとそこにはお姉ちゃんと同じ歳になった私が写っている。
いつも明るく太陽のようだったお姉ちゃん。
そんなお姉ちゃんとは正反対に、鏡には暗く無表情の私がいる。
「……おはよう、パパ、ママ、お姉ちゃん」
返事なんて返ってこない。
だけど毎日私はパパとママ、それにお姉ちゃんに挨拶をする。
身支度を済ませリビングに入ると、お婆ちゃんが朝ご飯を用意してくれているところだった。
「おはよう、お婆ちゃん」
「おはよう、陽奈」
私の声に振り向き笑顔でそう返してくれるお婆ちゃんにホッとする。
「手伝うよ」
「ありがとうね、じゃあお味噌よそってくれる?」
「うん」
『朝の挨拶は大事だよー?
明るく元気にね!』
そう、お姉ちゃんが言ってたから。
お婆ちゃんとふたりで朝ご飯を食べ、食器を下げ歯を磨き笑顔で家を出る。
笑顔を作るのはもう慣れた。
どんなに胸の奥は暗く痛く辛くても、
笑顔を貼り付けて私は毎日を生きる。
いつか涼太の手を繋ぎ、
この空の下を歩けるその日まで。
生きている人間には。
枕元で鳴り響くスマホのアラームを止めてゆっくりと身体を起こす。
途端に頭がズキズキと痛む。
あの日から毎日だ。
朝が来てしまった絶望からなのか、
私の朝はいつも頭痛から始まる。
ため息をつきながら部屋から出て洗面所へと向かう。
顔を洗い鏡を見るとそこにはお姉ちゃんと同じ歳になった私が写っている。
いつも明るく太陽のようだったお姉ちゃん。
そんなお姉ちゃんとは正反対に、鏡には暗く無表情の私がいる。
「……おはよう、パパ、ママ、お姉ちゃん」
返事なんて返ってこない。
だけど毎日私はパパとママ、それにお姉ちゃんに挨拶をする。
身支度を済ませリビングに入ると、お婆ちゃんが朝ご飯を用意してくれているところだった。
「おはよう、お婆ちゃん」
「おはよう、陽奈」
私の声に振り向き笑顔でそう返してくれるお婆ちゃんにホッとする。
「手伝うよ」
「ありがとうね、じゃあお味噌よそってくれる?」
「うん」
『朝の挨拶は大事だよー?
明るく元気にね!』
そう、お姉ちゃんが言ってたから。
お婆ちゃんとふたりで朝ご飯を食べ、食器を下げ歯を磨き笑顔で家を出る。
笑顔を作るのはもう慣れた。
どんなに胸の奥は暗く痛く辛くても、
笑顔を貼り付けて私は毎日を生きる。
いつか涼太の手を繋ぎ、
この空の下を歩けるその日まで。