DEEP BLUE
あたしは終始興奮しっぱなしで……
イルカと太郎とあたしで写真まで撮ってもらった。
その後のイルカショーももちろん二人で見た。
白くまや可愛いペンギンも、幻想的に光るクラゲもキラキラ光る魚達も……全部一緒に肩を並べて見た。
二人で見て、なんてことない会話をするのが楽しかった。
「あっはは!!太郎のペンギン帽子ウケるー」
「なっ、失礼な!!
でも愛美さんの白くま帽子可愛いですよ」
水族館にあるお土産グッズコーナーで、海の動物の帽子をかぶり、二人で子供みたいにはしゃいで遊んだ。
「愛美さん、白くまのぬいぐるみいりますか?」
「え、いらないよそんなデカイの」
「じゃあこっちのはどうですか?」
太郎はしきりにあたしにグッズを持ってくる。
でもそのグッズの全部が的外れであたしはいらないと首を振った。
「じゃあこれ!これオレも付けます。
いいでしょう?」
「えー…」
差し出されたのは、いかにもあたしが付けなさそうなストラップだ。
仲良さそうな二匹のイルカがくっつくとハート型になる、定番のやつだ。
「これは恋人用でしょ〜……無理無理」
あたしがサラッと流すと、太郎は本気で寂しそうな顔をしていた。
「……そう……ですよね……」
ストラップを乗せた手を広げたまま動かないその横顔が、あたしの心に突き刺さる。
……何でこれくらいのことで世界の終わりみたいな顔するかな。