敏腕編集者の愛が重すぎて執筆どころじゃありません！～干物女な小説家は容赦なく激愛される～

吉川さんがふんわりと微笑む。まるで子どもの巣立ちを見守る母親のような顔で。

「そうですね。随分な荒療治でしたけど」

いい変化があったのは確かだし、作品が完成したのも彼のおかげ。かけがえのない出会いになったのは事実だ。

「それに、誓野さんからも担当するならみどり先生がいいと猛プッシュがあって」

「え……？」

思わず彼の方に視線を向ける。

誓野さんは否定こそしなかったが、少し困ったような顔で微笑んでいた。