敏腕編集者の愛が重すぎて執筆どころじゃありません!~干物女な小説家は容赦なく激愛される~
「そこは考えがありますので。俺に任せてもらえませんか?」

吉川さんがきょとんとする。俺は躊躇いつつもかみ砕いて説明した。

「完全に担当を離れたら、交際を申し込むつもりです。家事はすべて俺がやろうと思っています」

吉川さんがパッと表情を明るくする。

「ああ、そういうお約束をされてるんですね!」

「約束まではしてませんけどね」

再び彼女の眉間に皺が寄る。さっきからひとりで百面相をしていて賑やかだ。

「みどり先生は、誓野さんのお気持ちに気づいてらっしゃいます?」

「そう思いますよ。よほど鈍感でなければ」

「……相手は、あのみどり先生ですよ」

その言葉に仕事の手が止まる。

繊細な小説家にしては男と女のあれこれにまるで気づかない彼女。こんなにも俺が好意を駄々漏らしているのに、わかっていない可能性はあるなと思った。

「……今度、しっかり言葉にします」

「そうしてやってください」

吉川さんがデスクに戻っていく。

気持ちを切り替えて仕事に戻ろうとしたとき。編集長が血相を変えて「まずいことになった」と駆け寄ってきた。

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