敏腕編集者の愛が重すぎて執筆どころじゃありません!~干物女な小説家は容赦なく激愛される~
〝失礼します〟の言葉もない。よほどのなにかがあったのだと悟り、そわそわしながら彼のあとについていく。

リビングに行くと、彼がダイニングテーブルに置いたのは一冊の週刊誌だった。

「これを見てください」

「これは……」

開かれた白黒の記事に目を落として――絶句する。

「え、え……?」

『石楠花みどりはホストにご執心』『印税はすべてシャンパン代に消え』『金で男を囲みご乱交』――とんでもない見出しがついているではないか。

嘘でしょう? なにかのいたずらなの?

さも私がホストクラブで乾杯しているような写真まで載っているけれど――この写っている女性は誰?

「どういう……ことです?」

愕然として顔を上げると、誓野さんは暗い表情のまま淡々と言い放った。

「これが明日発売される予定です。マスコミが押しかけてくる前に、ここを出てホテルに移動します」

「え、でも……これ」

絶対なにかの間違いなんですが。そう説明しかけてハッとする。

まさか誓野さんはこの記事を信じているの? 私がマスコミに叩かれるような浅はかなことをしたって怒っている?

「ち、違……違うんです。私、こんなこと、してない……」

< 130 / 188 >

この作品をシェア

pagetop