敏腕編集者の愛が重すぎて執筆どころじゃありません!~干物女な小説家は容赦なく激愛される~
「考えておいてくれる?」

「……はい……」

本当に期待していいのだろうか。仕事という繋がりがなくなっても、ずっとそばにいてもいい?

生まれて初めて、一緒に生きてほしいと思える人に巡り会えた。執筆以外にしたいこと――手に入れたいものができた。

それがすごく嬉しいと同時に怖ろしくもあって、どうしたらいいのかわからない。

書くことしか能のない私になぜそんなに優しくしてくれるんだろう。仕事でもないのに支えてくれるの?

私はその好意に相応しい人間なのだろうか。

……もしかして、この不安と喜びの入り混じったぐちゃぐちゃな感情が恋?

今になってようやく、新作の主人公・カヲルの感情の本質がわかった気がして、遅いよ……と泣きたくなった。



***



『次の作品はこんな家で書きたいな』――その言葉に他意はないのだろう。彼女は自他ともに認める『執筆バカ』らしいから。

だが期待してしまう自分がいる。

彼女が心を落ち着けて新作の執筆に取りかかれるようになったら。

今度は編集者ではなく、ひとりの男として彼女を支えたい。

そのためにもなんとしてでもこの件に方をつける、そう決意した。



< 138 / 188 >

この作品をシェア

pagetop