敏腕編集者の愛が重すぎて執筆どころじゃありません!~干物女な小説家は容赦なく激愛される~
『はい。疑うキャストもいましたけど、店内はそこまで明るくないし、メイクも濃かったから別人だって確信は持てなかったと思います。俺はすっかり信じ切っていて』

『先日、本物の石楠花みどり先生に会っていただきましたが、違いはありましたか』

『全然違いましたね。見た目も、雰囲気も。本物はもっと小柄で素朴な人でした』

わかりやすく証言してもらえていてホッとする。

……見返りに誓野さんは条件のいい働き先を斡旋してあげたのだろうか。若干忖度っぽい感じもしなくもないけれど、嘘をついているわけではないから、ギリギリセーフだろう。

映像が終わり、誓野さんが再びマイクを口もとに運ぶ。

「――これらの証拠をもとに北桜出版は石楠花先生の代理として、この週刊誌の発行元となる南梅社と話し合いを進め、訂正文の掲載と謝罪を条件とした示談が成立いたしましたことをここにご報告いたします」

初出しの情報に会場がざわついた。週刊誌側が間違いを認めたということは、誤報で確定であり、深堀りする余地もない。

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