敏腕編集者の愛が重すぎて執筆どころじゃありません!~干物女な小説家は容赦なく激愛される~
「男性との関係をお金で解決したことはございません。また、人に聞かれて恥じるような恋愛の仕方もしていません。生涯通しても、私が真剣に向き合った男性は彼だけです。まだキスすら経験できていませんけどもっ」

――凍りついた会場に向けてぶちまけたところで、ふと気がついた。

あれ、待って。これって、誓野さんに公開告白をしたようなものじゃない?

なんで私、みんなの前でこんなこと言わされてるの? なんだか急に恥ずかしくなってきた。

シンと静まり返っていた会場だけど、やがてうしろの方からはパラパラと拍手の音が聞こえてきた。

え? 拍手をもらうような立派なこと、言ってないんだけど? どういう空気?

ただ恋愛遍歴ゼロを暴露しただけだ。

私は突如押し寄せてきた羞恥心を必死にこらえ唇をかみしめると、くるりと進行役の彼に向き直る。

「言いたいことは全部言いました。会見、これで終わりでいいですよね!?」

「えっ? ええ……」

「ご清聴ありがとうございました!」

大きく頭を下げて、逃げるように会場をあとにする私。

その後、会見がどうなったかはわからない。

私は急いでホテルの自室に戻ると、オートロックが作動するより早く即座に手動でしっかりと鍵をかけ、ベッドの中にダイブし布団を被った。



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