敏腕編集者の愛が重すぎて執筆どころじゃありません!~干物女な小説家は容赦なく激愛される~
そうお願いすると、珍しく誓野さんの表情が曇った。よほど辛辣な批評でも書いたのか、メモを見せたくないと見える。
「これは俺が読みやすくするための走り書きですから、指摘とは違いますよ?」
「でもそれがこの作品の第一印象ですよね? 気になる箇所、わかりにくい箇所など、メモを取って読んでいたのでは?」
図星だったようで渋る彼。そんな彼によこせといわんばかりに手を差し出す。
「本を一度しか読まない方も大勢います。そうなってくると大事なのは、一度目の読了でどれだけ理解できたか、どこに違和感を抱いたか、です」
「……わかりました。ですが、あくまで今の時点のメモですから、あまり気になさらないように」
私は原稿を受け取り、彼がマークした部分をチェックする。
物語を読み進めていかないと明らかにならない伏線、ポイントとなる言い回し、キーワードに線が引かれていてそれに対する感想、キャラクターの行動原理などがメモ書きされている。
現状での最終章。カヲルと〝彼〟が最も距離を縮める添い寝のシーンに大きな丸がつけられ、その脇に『解像度』と走り書きされているのを見て苦笑した。
「ここ、わかりにくかったですか?」
「これは俺が読みやすくするための走り書きですから、指摘とは違いますよ?」
「でもそれがこの作品の第一印象ですよね? 気になる箇所、わかりにくい箇所など、メモを取って読んでいたのでは?」
図星だったようで渋る彼。そんな彼によこせといわんばかりに手を差し出す。
「本を一度しか読まない方も大勢います。そうなってくると大事なのは、一度目の読了でどれだけ理解できたか、どこに違和感を抱いたか、です」
「……わかりました。ですが、あくまで今の時点のメモですから、あまり気になさらないように」
私は原稿を受け取り、彼がマークした部分をチェックする。
物語を読み進めていかないと明らかにならない伏線、ポイントとなる言い回し、キーワードに線が引かれていてそれに対する感想、キャラクターの行動原理などがメモ書きされている。
現状での最終章。カヲルと〝彼〟が最も距離を縮める添い寝のシーンに大きな丸がつけられ、その脇に『解像度』と走り書きされているのを見て苦笑した。
「ここ、わかりにくかったですか?」