敏腕編集者の愛が重すぎて執筆どころじゃありません!~干物女な小説家は容赦なく激愛される~
口にして初めてそれが〝続きをしてください〟という意味の返事だと気づき頬が熱くなる。

どうしてなのかは自分でもよくわからない。でも心のどこかでこの先を期待していた。

「……よかった」

彼がそう囁いて、私の鎖骨のあたりで腕を閉じる。そのまま腕に力がこもり、彼の体と私の体がひとつにくっついた。

強く抱きしめられるほどに胸がぎゅっと苦しくなって、でもそれは嫌悪感じゃなく、嬉しいと――愛おしいとすら感じている自分がいる。

彼が背後から私に覆いかぶさり、こちらを覗き込んでくる。

促されるがまま目線を上げれば、そこには意志の強い双眸。引き込まれるような力強さがある。

その瞳をうっとりと見つめていると、彼がゆっくり首を傾けた。

少しずつ顔の距離が縮まって――不思議と瞼が重たくなって勝手に目が閉じていく。

ぼんやりと口づけを意識したその瞬間、彼が息を呑むのが伝わってきて、私は目を開けた。

「……ごめん。ここから先は、たぶん、無礼講ですらなくなってしまうと思うから」

苦悶の表情でうつむく彼。私は困惑から目線を漂わせた。

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