桃色
「タケルと仲良さげだったな・・・」

いきなり、ゆぅ君の低い声がした。

さっきまでと声のトーンが違う。


「ん~、そうかな?
 なんか、健ちゃんみたいな感じだった
 でしょ?」

「健二よりかなり仲良さげだったけど・・・」

ゆぅ君、なんか怒ってる?


「もしかして、本当に妬いたの?」

私はおどけてみた。

だけど、ゆぅ君は笑わない。


「どしたの?」

私は、不安になった・・・。


「・・・別に、妬いてなんかねぇよ。
 ちょっとムカついただけ」

「本当?」

「本当や!!」


ゆぅ君、分かってしまったよ。

だって、ゆぅ君・・・。

嘘つく時、いつも私の顔を見ないから。


本当は、タケルのことすごく気に
してるんだよね?


千絵にも言われたっけ?

タケルと二人で会ったりしない方が
いいんじゃないって・・・。


なつだって、今日、私がゆぅ君の前で
タケルと仲良さげにしてたら、
気にしてたしね・・・。


いくら、友達だって、親友だって言っても、
ゆぅ君からしたら、あまりいい気しないよね?


今日は、ゆぅ君のパーティーをして、
せっかくみんな来てくれて、
楽しかったのに・・・。


私のせいで、ゆぅ君に嫌な思いさせて
しまってたんだね。


気付かなくて、ごめんなさい。



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