わたしのスマホくん

「なぁんで、ボクが新人と!?」
「……青空が言うなら、ぼくはそれでもいい。ただ……はやく帰って来て欲しいな」

碧くんの無表情がちょっと渋々って感じになり、そんな碧くんを見た桃李くんは、長いかっとうと末、

「……そらがはやく帰ってきてくれるなら。それとぎゅってしてくれるなら!頑張ってあげなくもないよ」

ふん!と、少しすねながら言う桃李くんと、渋々の碧くんの頭をわたしはそっと撫でた。

「えへへ……そらになでなでされたっ」
「……うん」
「うん、ってなんで新人もなでなでされてるの!?」

穏やかに笑ったかと思えば桃李くんはすぐ碧くんにムッとする。

「青空が撫でてくれたから?……あったかくていいね」
「そ、それはわからなくもないけど」

いいねって言う割に本当、無表情。
桃李くんはわかりやすいタイプだけど、どうやったら碧くんの喜怒哀楽を見れるのかな。

こちょこちょとか?

……そもそもスマホにくすぐったい場所とか、あるわけないか。
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