わたしのスマホくん


──時折、人のいないところで碧くんに話しかけながらの帰宅。

気がかりなことというのは、桃李くんのこと。
今まで学校に持っていってたのは桃李くんだったから。少しお強めの性格だって分かってるから、怒ったりしてないといいなって。

おそるおそる部屋に入り、机の上の桃李くんをのぞけば……

ものすごいはやさで画面が点滅し始める。


──おぉ……これはプンプンしてそう。

なんて思いながらカバンを椅子に置けば、急にまぶしくなり桃李くんが抱きついてきた。

「んもう!ボクだけお留守番やーだー!」
「ご、ごめんね」

でもさすがに2人を持っていくわけにはなぁ……。

「さびしいよ、ボク……」

うっ、この上目遣い、すごく可愛い……。
グッとこの可愛さにたえてると、今度は碧くんがまぶしくなった。

「……桃李の分もちゃんと機能をいかせるように頑張るよ」
「そういうことじゃない!ボクはお留守番じゃなくてそらと居たいの!……ねぇそら今度はボクも連れてってよー。新人だけずるいっ」

ずるいって言われても……あ、じゃあこうしてみよう。

「2人でお留守番してみてくれる?時間とかは時計あれば大丈夫だから」

『え』

うまいこと2人の声が重なった。

おどろきの"え"なのか、嫌だなぁの"え"なのか。
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