わたしのスマホくん
「……ヒロ、大丈夫?去年は練習と休み、半々くらいだったのに」
「へいき。それに強化合宿のメンバーに選ばれたんだからやる気めちゃくちゃあるし。それより姉ちゃんのひとり留守番が増える方が心配だよ」
「わたしだって大丈夫だよ、そんな心配しないで強化合宿と練習頑張っておいで」
メンバーに選ばれるなんて、すごいことなんだもの。
「そう?まぁ、さびしくなったら連絡すれば?疲れてなかったら返すから」
「なにそれっ……分かったよ。ヒロもそうしなね?」
「なっ……ぼくがさびしくなるわけないだろ!?バカ。じゃ渡したから部屋戻る!」
小走りに部屋を出て行ったヒロ。
……今のは照れたからあわてて部屋に戻ったな。
「にしても、今年の休みは1人時間が多くなるなぁ」
改めてプリントを見て、ベッドに寝そべった。
お父さんもお母さんも、仕事の帰りが遅かったり、出張があったりで、まともに4人で食卓を囲める日は数少ない。
だから平日のご飯当番はだいたいわたし。
部活もやってないしね。
だけど、この予定表を見るかぎり、1人ご飯の日がほとんど。
夏休み中は、手抜きご飯になりそうだ。