わたしのスマホくん
──アルバムをみてる前で1人だけもぐもぐとして申し訳ないな、と思いながらも食事をすませ、休憩。
わたしはアルバムは見ないから、床に座って碧くんと桃李くんが楽しそうにしてるのをただながめている。
ほんと、わずかな時間で仲良しになった感じがする。……でもさっきからずっと写真撮り続けてるのが気になった。
「……あのー、碧くん?」
「ん?」
「碧くんが撮った写真って、当たり前だけど碧くんに保存してあるよね?」
「もちろん。……あ、でもぼくは容量も考えて選んでるよ。そのかわり桃李が保存してくれてるから」
わたしの気になったことを、碧くんは察してくれたようで、容量を理解しながら見てくれていたらしく安心した。
「そう!ボクは碧の先輩だし?それに容量はまだ沢山余ってるからね!ボクはしたいだけ保存してる。これでお留守番しててもひとりで見れるから!」
「……あ、桃李これアップにして」
「お、いいね!してあげるっ」
小さい桃李くんだけど、スマホとしてはお兄さんであり先輩ってところは間違いじゃないし、碧くんも受け入れてる。
夏休み中に、この調子で仲良くなってくれたら……とか思うけど、このまま人化したスマホくんたちと過ごすのが普通になりそうだなぁ。
寂しくなくていいんだけどね。