わたしのスマホくん
「おいっお子ちゃま、青空の腕の中で寝るな。僕にそこゆずれ」
明華くんにおさえられながら円華くんは寝てる桃李くんを起こそうとこころみるも、起きない。
「……桃李、青空も起きたからぼくたちも下に行こう?」
ツンツン、と桃李くんのほっぺをつつく碧くんと無言で同じくつつく莉雨くん。
「ん……分かった。そらが起きるならボク起きる」
「早く起きて!」
「優しくしろって!」
……こうして朝から騒がしくなってしまうのも、まだ短い期間だというのにもう慣れた。
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着替えて身支度を済ませ、軽く食事を取ったあとわたしはリビングに宿題を広げた。
「よし」
今日はやるぞ。
結局全然進められていない宿題を。
「……えーひまぁ。ボクそらに構ってもらわないとさびしくて充電きれちゃうー」
開始5秒で後ろから桃李くんが背中に頭をぐりぐりとしてきて。
「うさぎじゃないんだから、僕らスマホがさびしくて急に充電が減ることなんてあるわけないでしょ?」
「……でもさびしいのは同感」
ソファに座る円華くんと莉雨くん。
「んなこと言っても、青空には青空のやることがあるんだから、今日はおとなしく過ごして宿題に集中してもらおうぜ?」
「そばにいればさびしさも、充電の減りも軽減するよ」
わたしの向かい側に、明華くんと碧くんがいて宿題をのぞきこんでいる。