わたしのスマホくん

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スマホくんたちが充電している間に、わたしは夕ご飯をすませ、テレビでも観ようかとソファに座った。

桃李くんだけがわたしにくっついて充電していたけど、いくら充電が増えるとはいえ生身。
機械には機械ものでやらないと早く増えないらしく。

『はやく充電してはやくそらにくっつきたいから、ちょっと待ってて!』と、自らコンセントへ。

「……まだ終わりそうにないと思うし、何か面白いのやってないかな」

リモコンを手にしたところで、今日遊びに行ったバッグを片付けてないことに気づいた。

「テレビの前に片付けないと」

真っ直ぐリビングに来たままだったから、忘れちゃってた。バッグを手に立ち上がり、

「ちょっとこれ、部屋に置いてくるね」

スマホくんたちにことわりをいれた。

【すぐ戻ってきて】
【うん、分かった】
【うー!りょーかい!】
【……はぁい】

最後の莉雨だけなんだか眠そうだった。

──明華くんの充電はどのくらいたまってるかな。

1人だけ部屋に行かせてしまった明華くんのもとへ小走りに向かった。

「明華くん、充電はどう……」

開きっぱなしのドアを開けて中に入れば、

「っ!?」

驚き目を丸くした明華くんと目が合った。
そして、わたしも驚き目を見開いてしまう。

だって──
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