わたしのスマホくん
充電してたと思った明華くんが、上だけ何も着ずに床に座っていたから。
「ご、ご……ごめん!!」
「ちょ、待っ……待って青空!」
顔をおおいながら部屋を出ようとするわたしを明華くんが引き止める。
「これにはわけがありましてっ!」
「うん、でも目は開けられそうにない!」
出たいけど、スマホでも男の子。やはり力でかなうわけもなく……
「とりあえずそのままでいいから話を──う"!?」
後ろに引かれるがまま、明華くんの腕におさまった矢先、頭上から明華くんの野太い声がして。顔をあげれば、
「何してんの野蛮」
円華くんが腕を組み、部屋の前の壁に寄りかかってこちらを見ていた。
「野ばっ……いや、だからわけがあってだな……あっ」
「青空はこっちに来て」
明華くんの腕の中から、今度は円華くんの腕の中へとおさまる。
「心配で来てみれば……明華は何も着てないし、しかもその姿のまま青空に何しようとしたわけ?理由によっては明華の息のねとめるよ?」
ものすごい形相の円華くんは、わたしをぎゅっと抱きしめながら明華くんを見つめる。
──というか近い近い!……あれ、なんかいい匂いする。スマホなのに?……にしても近いっ!