わたしのスマホくん
**うわさのスマホくん**
あっという間だ。
夏休みって何であっという間に終わるんだろ。
小学生の頃から夏休みが終わるたびに同じことを考えてしまうわたしがいる。
もう来年には高校生になるというのに。
「はぁー学校行きたくない病だー」
提出する宿題を確認して、もう学校が始まることにため息をつき机に伏せた。
「休む?そら明日学校お休みする!?休んじゃおうっ!」
「いいね。1日くらいいいじゃん。休んで僕のそばに居なよ青空」
伏せるわたしに桃李くんと円華くんが左右から休みをすすめてくる。
うぅ、1日くらいって思っちゃう!
「……こらこら、何で休みをすすめてんだよ。おかしいだろ」
「どちらからも、あくまのささやきしかない……」
「だれがあくまだって?」
円華くんにこわい視線を向けられ、莉雨くんは明華くんの後ろに隠れた。
「あおはさびしくないの?」
「まぁ……ぼくもさびしいからもうちょっと……って思うけど、青空の学校生活も大事だと思うからがまん」
「自分も夏休みの生活に慣れてたから、一緒の時間が減るのはさびしいけど、がまんする」
無表情組、なんていい子なのっ。そしてかわいい。
「……えー。そらはもう少しボクといたいよね」
「だめ。僕と居たいって言って」
またも左右からささやきが……。