わたしのスマホくん
「大丈夫っ気にしないで!充電中熱くなりすぎるのよくないらしいし……わたしも一応ノックするべきだった」
「いや、自分の部屋なんだからいいって。あーでも……こんなこと言うとまた円華にこわい顔されると思うけど」
明華くんは顔を上げ、まだ充電中の円華くんと
ソファの方を確認してから、わたしの手をにぎり言った。
「……もうちょい、青空とくっついてたかったなぁ、と。桃李とか円華とかは遠慮なく抱きついたりしてるけど、俺は恥ずかしさもあるし、円華すぐ怒るしでなかなか──」
照れまじりに言う明華くんがかわいくて、そっと背中をたたいてみた。
自分からくっつきにいったみたいで、わたしも恥ずかしいんだけど……。
「そ、青空?」
「しっかり者の明華くんへ、お礼のハグ?……なんて!離れます!」
恥ずかしさの限界が訪れそうだったから一歩下がる。
「待った!もう少し……」
だけど明華くんに一歩つめられ、またハグ状態に。
「他の皆も見てないし、円華がスマホのうちに──」
「へぇ、僕が見てないうちにね」
「うわっ!?」
「さっきは同じ色違いスマホとしてギリギリ許そうと思ったけど……ご愁傷さまっ」
キッチンのカウンターに頬杖をつく円華くんは、とびきりの黒い笑顔を向ける。
この後、明華くんは円華くんにつれられリビングを出て行った。
ギャア!!とすぐに悲鳴が聞こえ、リビングにいたわたしたちは顔を合わせる。
戻った明華くんに何をされたか聞けば、相当こわい画像やら動画を見せられたらしい。