わたしのスマホくん
……スマホくんだーっ──!!
全然大丈夫じゃなかった!
何故か壁に隠れてしまったけど、今日はなんで!?
さびしい病にならないように、恥ずかしかったけどたくさん写真撮ってもらったのに!?
壁からのぞけば、もううわさのかちゅうにいるスマホくんたちの姿が見えないほど、女子に囲まれてしまってる。
──に、人気出過ぎでは……?
5人の容姿を見たら、ああなるのも分からなくはないけども。
にしても昨日の今日だよ?
"人がいっぱいいる学校までは来ちゃだめだよ"って何度か伝えたのに。
今回も明華くんだけでは止められない理由があるのだろうか。……さびしい病ではないはずだし。
──どうしよう。ここで出て行ったらそこにいる女子に囲まれて帰れなくなる。……でも行かないといつまでもスマホくんたちがあのまま……。
「……んーもう!そらをおむかえに来たのにー!人で全然校舎が見えないっ。円華肩車!」
「は?なんで僕なの?ほか当たって」
「あおー……と、りうは力持ちっぽくないし……あすか!」
「いや、桃李が見なくても俺や他のカメ……目で探せばいいだろ?でも、柵があって見辛いな」
そっか。囲まれて背の低い桃李くんがわたしを探せないんだ。おまけに女子に押されて門から移動してるから。