First Light.
佐伯さんの隣にお母さんが座り、私と佐伯さんは向かい合うように座った。
「…せっかくのクリスマスなのにごめんね」
「いえ、大丈夫です」
品のあるレストランでの待ち合わせ。
でもどこかカジュアルな雰囲気があり、そんなに身構えなくても入れるようなお店だとクチコミには書いてあった。
その口コミ通り、中には家族連れのお客さんが居て落ち着ける店内だった。
「…佐伯さんは、母のどこを好きになったんですか?」
注文を終え、料理が届くまでの間を持つ為に先に切り出したのは私だった。
「……不器用な、ところです」
「不器用?」
「聡美さんは、仕事も何もかも完璧なのに変なところで素直じゃなくて不器用なんです」
「ちょっと、」
「ふふ、娘さんの事が心配で心配で堪らないのにそれを素直に口に出して言えないところとか、まさにそうで」
思い出すように語る佐伯さんの言葉にお母さんは恥ずかしそうに顔を伏せた。
「そんな不器用なところが、可愛らしいと思いました」