First Light.
「〜〜ってぇなぁ!!!何してんだよ!!」
「何してんだよはこっちのセリフなんですけど!!翠の事口説かないでくれる!?」
「口説いてねぇわ!!俺は事実を言ったまでだろうが!」
穏やかな雰囲気に一瞬忘れていたが、昔からこの兄妹は喧嘩が絶えない。
まぁでも喧嘩するほど仲が良いという言葉があるんだから、2人は仲の良い兄妹なんだろう。
「翠も!もっと警戒心持ちなさいよ!」
「えぇ、だってユズのお兄さんだし…」
「それ結構傷付くよ翠ちゃん…」
「いい?翠。この城オタククソ兄貴の事は今すぐ記憶から抹消しなさい」
「お前っ!!この愚妹が!」
陽季さんは歴史が大好きで、大学でもその関係の事を勉強していると前にユズに聞いた事があった。
「あら、柚季帰ってたの?おかえり。制服シワになっちゃうから早く着替えて来なさい」
「はーい!」
心配している私とは裏腹におばさんにとっては日常の1部なのか、特に気にした様子はなく淡々とタコを小さく切っていた。
テーブルに座っていたおじさんはお酒を飲みながらテレビを見ている。
なんなら「陽季見えん、邪魔だどけ」と言って。
…兄妹って計り知れない……。
「わ、お菓子買ってきてくれたの!?」
「あ、うん。変わり種にもなるかなってチョコとかも買ってきたよ」
「ほんとだ!ありがとう!!」
制服からラフな格好に着替えて来たユズは私が持ってきたお土産を見て嬉しそうに笑ってくれた。
本当は理人さんが買ってくれた物だけど。
「じゃあ全員揃ったし始めましょうか!」