First Light.
リビングに入るともう既にテーブルにはたこ焼き器が準備されてあった。
「久しぶりだね、翠ちゃん」
「あっ、陽季さん!」
ソファに座っている私に話しかけてくれたのはユズのお兄さんである陽季さんだった。
「“陽季さん”??昔はハル兄って呼んでくれてたのに寂しいなぁ」
「もう、いつの時の話をしてるんですか!」
「ごめんごめん、でも良かった。元気そうだね」
陽季さんはまだ私が幼い頃よく遊んでくれた。
大学生になった陽季さんは県外の大学に進学したらしく今では寮暮らしらしい。
ユズとよく似た顔はいつ見ても2人が兄妹だという事を証明していた。
「柚季は相変わらずバカでクソガキのまんまだけど、翠ちゃんはすっかり大人になって綺麗になったね」
「えっ、本当ですか?」
「うんうん。雰囲気が前と違って…っ、」
バコッ、という鈍い音がしたのは突然だった。
目の前には後頭部を押さえる陽季さんとその背後には怖い顔をしたユズが。