First Light.
「……親御さんは?」
「仕事で、いないです…」
「……俺今日酒入ってるから送ってやれねぇわ」
「あ、俺送ろうか?酒飲んでないし!連れて来たの俺だし?」
「信用出来ねぇから却下」
「はぁ!?」
ポケットから取り出したスマホを操作しておもむろに耳に当てた理人さん。
「タクシー呼ぶ」
「えっ、あ、でも私お金そんなに持って来てなくて」
「んなもんそいつが払うわ」
「や、でも…」
「何?もっかい怒られたい?」
「いえ…」
電話が繋がったのか、理人さんは私から視線を逸らして話し始めた。
「翠ちゃん、マジで気にしないで。俺が全額払うし、余ったらお小遣いとして貰っていいから」
「そんな、松尾さんは何も悪くないです。元はと言えばノコノコついて来た私が悪いんですから」
「ううん、理人の言う通り俺が悪いから。てか、朱音も理人も名前呼びなのに俺だけ苗字って酷くない?俺も名前で呼んでよ」
「じゃあ奏汰さんで…」
「うんうん、今日は本当にごめんね?俺のせいで怒られちゃったね」
申し訳なさそうに笑う奏汰さんを見て、有難くお金を頂く事にした。