First Light.
「だいたい、“不良お嬢様”なんて言うの理人さんだけなんですよ。だから奏汰さんが理人さんの友達だって分かったのに」
「え、あいつ初対面でそんな事言ったの?」
「はい」
「おもろ」
「面白くない!」
体を震わせながら笑う理人さんにムッとなった私に気付いたのか「ごめんごめん」と謝られた。
「他に何か言われた?」
「何かって?」
「俺のこと」
その言葉にさっきの奏汰さんの言葉を思い出した。
──────『理人は捨て子なんだよ』
…聞かなかった事にした方がいいよね。
奏汰さんはなんて事ないように言ってたけど、誰にだって触れられたくない事、知られたくない事はあるだろうし。
「何も言ってませんでしたよ」
「………そっか。あいつは口が軽いから、あんたの事困らせてないといいけど」
「…理人さん、」
「あ」
理人さんの視線を辿るとタクシーが来ていた。