勇気の歌(Summerloveの前の話)
第二章
やっぱり勝てないよ
*
あの一件から3日経った。
誰一人として、答えを出せていない。
俺達3人だけじゃない。
周りの教師達全員、頭を抱えていた。
職員室で淡々と作業をこなしていても、なんとなーくそういう重苦しい空気で、分かってしまう。
一体、どうすればいいっていうのだろう。
相手はまるで人の話を聞かない、怪物にしか俺は見えない。
そんでもって、半分ぶっちゃけどうでもいいなんて気持ちが出てきてーーーー。
「もう………教師を辞めたい」
と1人2人の誘いを断り、飯も食べず煙草で腹を膨らますという暴挙に出た。
ぶっちゃけ、ある程度教師として稼いだお金で、転職でもしてやろうかと思う所存だ。
生徒達はほぼと言っていいほど、自分勝手だし、大人の都合という概念が通用しない子供を相手にするのがものすごく疲れた。
転職先は、大人版体操教室を自分で開いて、自由に暮らしていきたい。
だとしたら、それまで稼がなければならないのだけど、体力がもう悲鳴を上げている。
「自分の事しか考えてないから………いじめられるんだろ。あのバカは」
ふとそう、愚痴が出てしまったがある意味事実なのだから仕方ない。
俺にだって、自分の時間がある。
生徒の為だけに仕事をやっている教師など、聖人以外いないだろう。