それは禁断という愛
「えっ!」

驚いている間に、ビールがやってきた。

「まあまあ、里中さん。まずは乾杯しましょう。」

咄嗟に乾杯を入れてくれた怜奈ちゃんは、乾杯後、ビールをゴクゴク飲んでいる。

「それ、私も気になりましたよ。瀬田さん、「部長と木原さん、付き合っている。」って、言いふらしてますからね。」

さっきも言ってたなぁ。

もう、昔の事なんだけど。

「……付き合ってませんよ。」

「ですよねえ!」

怜奈ちゃんは、いつの間にかサラダを取り分けていた。

「ありがとう、怜奈ちゃん。」

「今日は、美麻さんの愚痴聞きですよ。たくさん、愚痴聞かせて下さい。」

改めて、いい子だなぁって、思う。

「本当に?今までも?」

私は、ゴクンと息をのんだ。

「瀬田さん、気は強いけれど、根拠のない事は言わないからさ。」
< 15 / 47 >

この作品をシェア

pagetop