それは禁断という愛

「いや、奥さんと子供作るのが、正当だからね。」

私は、怜奈ちゃんの背中を摩った。

「それでか。瀬田さんがやけに、公私混同してるとか、不利益だとか言っているのは。」

里中さんは、ビールを飲みながら納得している。

「ミーティングルームでも、公私混同するのは止めて下さいって。今後も続いたら、社長に直訴しますって。」

「そうか。部長は仕事できる人だから、公私混同する人じゃないし。今度も美麻さんのチームが優秀な企画を持ってきたら、採用するだろうなぁ。それに、社長も瀬田さんが直訴しても、上手く受け流すし。」

「そうですよね。」

私が里中さんと悩んでいると、怜奈ちゃんは呑気に料理を食べていた。

「瀬田さんって、そんなに自信家なんですか？」

会社に入った時には既に、瀬田さんがチームリーダーだった怜奈ちゃんには、瀬田さんの凄さは分からないかも。

「瀬田さん。途中入社なんだけど、3年くらいでチームリーダーになって、クライアント側の採用率も高いんだよ。」