それは禁断という愛
何故か、邪魔者は早く去ると言わんばかりに。

「しばらく、歩こうか。」

「はい。」

里中さんの提案で、私達は駅に向かって歩きだした。

「今日、憂さ晴らしできた?」

「はい。ありがとうございます。」

愚痴を言うというか、半分怜奈ちゃんに励まされた感じはするけれど。

「私、部長がこの一件で、私のチームの企画を採用しなくなったら、どうしようかって悩んでたんです。」

「俺が美麻さんの立場でも、同じ事を思うよ。」

里中さんは、微笑んでくれた。

「でも、里中さんから見ても、部長はそんな人じゃないんですよね。」

「ああ。そこは安心していいと思う。」

やっと私にも、笑顔がこぼれた。

「俺も、今日安心したよ。」

「何にですか?」

「美麻さんと、部長が付き合っていないって聞いて。」
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