それは禁断という愛

私達は、立ち止まった。

「安心したら、美麻さんを誰にも渡したくないって思った。」

「里中さん。」

「俺の彼女になって欲しい。」


胸がドキンとした。

女、30歳。

そんな事を言われたのは、大学生以来。

社会人になって、初めてだ。


「ええっと……」

部長の時は、半ば強引に私の方から迫った感じがしたけれど、今まで同僚だった人の告白は、何て返せばいいのだろう。

「急がなくていいよ。」

「でも……」

「突然彼女になってって言われても、私達そんな関係でしたっけ？って言われて終わりだと思っていた。」

里中さん、余裕の微笑みだ。

「これから、どんどんデートに誘って行くよ。その中で、決めてくれていいから。」

何だろう、この安心感。

里中さんといると、ほっとする自分がいた。