それは禁断という愛
それから三日後、里中さんからデートに誘われた。

私は、そのメールを返信せずに閉じた。

デートに行くという事は、男女の関係になっていいと、相手に思わせる事だ。

私は、里中さんの方をちらっと見た。


里中 徹さん。

仕事のスピーディーさには定評があって、温厚で人を笑わせる部分も持っている。

表立ってモテるタイプではないけれど、里中さんに恋心を抱いている人は、いるだろう。

問題は、なぜ里中さんが、私を選んだかだ。


「他の人に渡したくない、ねえ。」

私を独り占めしたい。

そう思ってくれていると知った時、少しだけ優越感を感じた。

誰でもない、里中さんにそう思われるなんて。

でも、気分が乗らない。

もしデートに行って、やっぱり付き合えませんってなった時、私達の関係はどうなってしまうのだろう。

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