それは禁断という愛
里中さんは、いつ瀬田さんと別れるのだろう。

私はビルを出ると、右側の方向に向かって歩いた。

二人は、反対方向に向かっていく。

ああきっと。瀬田さんに知られるのは、まずいよね。

彼女は、私と部長が付き合っていると思っているのだし。


なんとなく、歩幅がゆっくりになって、それでもビルは通り過ぎてしまった。

里中さんとの待ち合わせの場所は、ここだと言うのに。

その時、里中さんからメールが来た。

【ごめん。今、そっちに行く。】

私は、了解ですとだけ返信をして、振り向いた。

見ると、まだ瀬田さんは里中さんと、話をしている。

余程、瀬田さんは里中さんと、話したい事があるのだろう。

【私、やはり帰ります。今日は瀬田さんに付き合ってあげてください。】

と、メールを打って歩きだした。
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