それは禁断という愛
「私も、告白してくれて嬉しかったです。」

里中さんは、ぎゅっと抱きしめてくれる。

この感覚が、心地よい。

「じゃあ、また明日。」

里中さんは名残惜しそうに離れた。

「今日は、ご馳走様でした。」

頭を下げて、私は歩き出した。


しばらくして振り返ると、里中さんがこっちを向いていて、手を振ってくれていた。

私も手を振り返す。

大丈夫。私は愛されている。

空を見上げると、満月が輝いていた。


一駅電車に乗って、10分程歩いたところが、私の家だ。

「はぁ。今日の里中さん。カッコよかったな。」

あんな人が私の彼氏だなんて、ちょっと自慢できるかもしれない。

そして私の住んでいるマンションの前には、小さな公園があった。

何気なく覗き込むと、いつもは誰もいない公園に、人がいた。
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