それは禁断という愛
「すごい。何で分かったの?」

「美麻先生の話し方が、彼氏さんにしてはよそよそしいかなぁって。」

「あははは。」

そんな事も分かっちゃうなんて、もしかして仕事は心理学者?

そんなふうに考えてたら、3階に着いてしまった。

「じゃあ、おやすみなさい。」

「はい。美麻先生、また。」

エレベーターを降りると、晴太君と手を振り合った。


家に入ると、誰もいない部屋に電気をつけた。

「ただいま。」

誰も返してくれないけれど、未だに抜けない帰宅の挨拶。

バッグを置いてソファーに座ると、やけに部屋がシーンと静まり返っていた。

「今日は楽しかったな。」

そうつぶやく。

里中さんとの、お付き合いのスタート。

晴太君との、久しぶりの再会。

同じ日に、こんなスペシャルな事が二つもあるなんて。
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