それは禁断という愛
エンジンをつけて、走り出す車。

晴太君の運転は、丁寧だ。

「よく、この時間に私が出勤するって、分かったね。」

「いや、分からないので1時間前から待ってました。」

「えっ!1時間も⁉」

連絡先知ってるのに、聞かないで待つなんて、今時、そんな人いる⁉

「聞いてくれればよかったのに。」

「朝から、何時出勤?ってですか?それ、彼氏かストーカーのどっちかですよ。」

「ははは。どっちでもないってね。」

何だか、晴太君と一緒にいると、笑いが止まらない。

こんなに面白い人だったかな。


「晴太君、何の仕事してるの?」

「広告関係です。」

「えっ!偶然。私も同じ広告関係。」

不思議な縁を感じて、失礼ながら晴太君の運転する横顔を見てしまった。


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