それは禁断という愛
晴太君は、あの頃よりも大人の顔になった。

整った顔は、たぶんイケメンの部類に入るのだと思う。

そしてこの居心地の良い運転。

まるで、晴太君に大切にされているような気分になる。


「南町に着きましたよ。」

「あっ、私ここで降りる。」

会社の近くまで来て、私は晴太君の車を降りた。

「じゃ、また。」

「またね。お仕事頑張ってね。」

手を振ると、晴太君はドアを閉めて行ってしまった。


いい子だな。

そう思った時だ。

「美麻さん。」

名前を呼ばれ、振り返ると里中さんが立っていた。

「おはようございます。」

すかさず挨拶をする。

「おはよう。あのさ、さっきの車……」

「ああ……知り合いの車です。途中で会って、乗せてもらっちゃいました。」

私は明るく話した。
< 41 / 47 >

この作品をシェア

pagetop