それは禁断という愛
「知り合いか……」

里中さんは、走り去った晴太君の車を見つめている。

「男の人、だったよね。」

私は里中さんの、寂しげな表情を見てドキッとした。

「いえ、あの……ほんと知り合い程度で、里中さんが嫉妬するような人ではないです。」

必死に否定したけれど、伝わったかな。

「そっか。」

里中さんは、私の腰に手を当てて歩き出した。

私も里中さんにエスコートされて、ゆっくりと歩きだす。

「信じてもいいよね。」

「もちろんです。」

昨日付き合った人に、こんな思いをさせるなんて、私は何してんだろう。

「なんか、今夜も会いたくなったな。」

里中さんが、私の肩を抱き寄せる。

「うん……」

ちらっと見た里中さんは、優しく微笑んでいた。

「じゃあ、また外で待っているから。」

「はい。」

私達は、今夜も会う約束をした。
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